ふと蓮士の顔を見てみれば、どこか悔しそう。 「…今年は酷いね。ほっといてなんて初めて言われたし。」 薄っぺらい嘉の笑顔… 久しぶりに見た。 「李玖、立ち直らないのかな?」 楓も寂しそう。 いつも言い合いばかりしてるけど、何だかんだ言って李玖のことが好きなのよね。 「…………。」 結都も、真っすぐに李玖が歩いて行った方を見ている。 ―こんなに、思われているのに。 李玖は何を考えているのかしら? 迷っていたら大事なものは手の中からすり抜けてしまうものよ。