バキッ…… 駄目押し、というように力一杯相手を殴り、その相手は意識を失った。 李玖は次を探すように周りを見渡し、私たちに気付いた。 「李玖、もういいだろ。」 鋭い目をした蓮士がそう言って、一歩ずつ李玖に近づいていく。 「…来るなよ、」 蓮士を拒否するような声を出した李玖。 私はその目を悲しみが埋め尽くしていると思った。 どうして、李玖はそんな目をするの? こうして迎えに来てくれる人がいるのに。 一人ぼっちだと言わんばかりの目をしてる。 いつもはそんなんじゃないじゃない。