華〜ハナ〜Ⅱ【完】




「この子がなんで学生やってるかなんて、乃亞が知ってる必要あるの?」



口調は変わらないけれど、どこか冷たい。


乃亞は「いいえ。」と答えた。


「僕だけ知ってれば、それていいでしょ?」

きゅ、と私を抱く腕に力が入って、乃亞は「失礼しました。」と部屋をでていった。




結局、私はやっぱりあの凛桃学園に戻って桜華と一緒にいるべきなのだ。

それが、マスターの望むこと。




私は何日か塔で過ごし、マンションに戻った。



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黒い浴室から出て、何も身につけないままリビングに行く。

チラッとみた鏡には、白い肌で左肩だけ薄く赤い私が写っていた。



クローゼットから手頃な服を出し、着替える。

そしてソファに座って再び塔でのことを思い出した。




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「あれ、また来たの?」


一日も経たずに戻ってきた私に驚いたのだろう。

マスターが不思議そうに見てきた。