華〜ハナ〜Ⅱ【完】



黒いベッド

白い壁紙

茶色のドア

黒いソファ

白いテーブル



黒、白、茶だけで統一されている部屋だ。

ただ…何度か人が入ったらしい。


ベッドがくしゃくしゃになってるし。



…誰だろう。

私がそのシワに手を合わせようとしたときだった。




バァンッ!!!!

「何をしている!?

ここをどこだと思ってるんだ!!!

いますぐ出ていけ!!!」



殺気を含んだ刺々しい美しい声。

それとともに金髪のショートボブを揺らした背の高い女が入って来た。




「久しぶりね、乃亞。」

「んっ!?

………月華?!?!」



私が微笑めば、乃亞は顔を赤くして俯いた。



「私がいない間、ここを守ってくれたの?」

「…空気で分かる。ここの空気が動くから。」



それは、人が入ったのが分かるってことだろう。


「だけど、だいたいがあの方だったんだ。

でも辞められない。ここに他人が入るなんて、月華が悲しむだろう…?」



私は乃亞に「ありがとう」と行って、一緒に部屋を出た。