華〜ハナ〜Ⅱ【完】



次の日、目が覚めるとちょうど12時だった。

もちろん、昼間の。



「マスター、起きて。」


きっとマスターにはしなきゃいけない仕事が山ほどあるはず。



「ん゛……」


眉間にシワを寄せ、不機嫌そうな声を出す。

相変わらず寝起きが悪いのね。



「私は部屋に戻るわ。ちゃんと起きてね、マスター。」



この塔には私専用の部屋がある。



ここで生活するのはMOONの中でも一握りだけだ。

ここは、本拠地だから。





カチャ…


約二ヶ月ぶりに自室のドアを開く。



そこは前となんら変わりない場所だった。