華〜ハナ〜Ⅱ【完】



「ねぇマスター?どうして今日、私をここに連れて来させたの?」

「あれ、バレてた?」


あちゃー、というように頭を掻いて。

意地悪な笑みを浮かべた。



「だって、あの男の子に抱きしめられてるんだもん。」


唇を尖らせて「俺のなのにさ」と言う。



私はふふふ、と笑った。


「なんで笑うの?笑うとこじゃないよ。」

「だって、可愛いんだもん。」

「可愛いって言われても嬉しくないよ。」



分かってる。

私分かってて言ってるのよ、マスター。



「だいたい、華の方が可愛いし。」

「………可愛くないわ。」

「どうかしたの?」

「…なんでもない。おやすみ、マスター。」

「……おやすみ。」



私たちは、同時に眠りについた。