そして私はこの間まであの場所にいた。




かなり不安定になっていたから…


それと、マスターのヤキモチらしいけど。



とにかく、マスターのおかげで心が安定して“栗栖侑希”でいられたのに…


やっぱり月華でいた場所に行くと、戻ろうとしてしまうらしい。








はぁ…一人で落ち着いて考えてみるとかなりヤバいかもしれない。

きっと全員が不信に思ったに違いない…



しかも、嘉には疑われているだろうし。


月華がMOONに所属していることは誰でも知っている。



嘉は私と月華の関係を勘ぐっているだろうし。

私が月華だと思っているかもしれない。




――…そうなると、私は嘉を消さないといけないのかしら?







私は電気も点いていない浴室で頭を抱えていた。