月華でも侑希でもない私。 それはつまり“私自身”ということだろうか。 “月華”になる前の、私…… その名前は、私とマスターしか知らない。 「…月華、なんて。哀しい名前だね、お前。」 「そうかもしれないわ。」 月の、華。 つまり、MOONの華。 人殺し集団の中の、紅一点。 それがもともとの月華の意味だ。 MOONから逃げることもできず、ひたすらに人を殺す。 それだけが私の仕事だった。 …今は、そうじゃないけれど。