華〜ハナ〜Ⅱ【完】




マスターは「そっか…」と言いながら私に近付き、髪を一束掬った。





「…ダークブラウン。」

「マスターが染めたわね、私の髪を。」

「月華の髪は染めすぎてもとの色が分からないな…」





そういえば。

私の本当の髪色は何だっただろう。




「…元に、戻せないな………」




どうして。



どうしてマスターはそんなに哀しそうなのだろう。





「………月華でも、侑希でも、なくなればいいのに。」

「え?」

「……なんでもないよ。」