華〜ハナ〜Ⅱ【完】





暁斗さん。


確かに彼の名前はそうだったように思う。




でも“月華”と呼ばれたからには彼は私の“マスター”だ。


私を所有する、支配者。






「マスターが創った集団が、桜華になったのね…」

「そうみたいだね。知らなかった?」

「ええ……。」

「まあ、暴走コースにあの場所があって焦るくらいだもんね。」

「………。」




すごく楽しそうにマスターが笑っている。


私が困っているのがそんなに楽しいのか。





「………ねえ。」

「はい?なんですか。」

「…最近、何か変わりはある?」



……?

なんのことだろう?




「…特にないですけど………」


何か、あったかしら。