暁斗さん。
確かに彼の名前はそうだったように思う。
でも“月華”と呼ばれたからには彼は私の“マスター”だ。
私を所有する、支配者。
「マスターが創った集団が、桜華になったのね…」
「そうみたいだね。知らなかった?」
「ええ……。」
「まあ、暴走コースにあの場所があって焦るくらいだもんね。」
「………。」
すごく楽しそうにマスターが笑っている。
私が困っているのがそんなに楽しいのか。
「………ねえ。」
「はい?なんですか。」
「…最近、何か変わりはある?」
……?
なんのことだろう?
「…特にないですけど………」
何か、あったかしら。



