華〜ハナ〜Ⅱ【完】




コンコンコン――


私がいる部屋のドアが叩かれる。




「………っ!」


ドアが開かなくても。

姿を見なくたって、そのオーラは感じる。





「…入るよ?」



心地好い、低く伸びる声とともに“彼”が来た。








「……あ、きと、さん―――」

「やあ。」




彼の笑顔をこうして明るい場所で見たのは、いつ以来だったろう。




「……ここで待ってたの、月華――――」















“暁斗さん”が、私の“マスター”へと姿を変えた。