階段を下りていく。


城の中は静まり返っている。



メンバーでさえ、誰もしゃべっていないのだ。


きっと来ているんであろう、陽斗さんたちでさえ。





……ああ。


もう、すぐそこだ。





遠くなりそうな意識をこっちに引き寄せる。



ドドッドドド…



心臓が不規則な声を上げる。





「…はじめまして。」



蓮士がそういったのが聞こえて、必死に落としていた視線を上げた。