華〜ハナ〜Ⅱ【完】





そしてやってきた桜華の初代幹部たち。



私は一階に降りて階段の近くに立っていた。


入ってきた人達を、列を作ったみんなが出迎える。


一人一人が口々に何か声をかけ、真ん中を通るその人達は一つ一つ、答えている。






段々と近づいてくると、その表情も見えてくる。


先頭を歩いているのは、みんなに「陽斗さん」と呼ばれている、初代総長。


ダークブラウンの髪はワックスで整えてある。


細見の体に、黒い革ジャンとジーンズにブーツという“いかにも”元ヤンという格好。


それにしても、夏にあの格好で暑くないのかしら?




その後ろには、黒髪に銀縁のメガネをかけている男。


みんなからは「理仁-リヒト-さん、」と呼ばれている。