次の日。
朝早くから城へと連れて来られ、いつもの部屋で待っていると。
「お姉さぁぁぁん…」
力無くユズキが部屋に入ってきた。
「どうしたのよ?」
「なんか、今日は呼び出されちゃって…」
それはつまり、この城でのパーティーに参加出来ないということだろう。
「…楽しみにしてたのに。」
「まあまあ、しょうがないでしょう?」
確かに、昨日の準備の段階でユズキはかなり楽しそうだった。
それだけに、急な呼び出しは気に入らないのだろう。
「あとが怖いから、早く行きなさいよ?」
そう催促すれば、「お姉さんの鬼!」と言葉を残して出て行った。
それからすぐに蓮士たちが入ってきて、また出て行ってしまった。
嘉が残って、私に今日の流れを簡単に説明してくれる。
「今から蓮たちが陽斗さんたちを迎えに行く。それで、戻ってきたらパーティーの始まり。多分陽斗さんたちはここに泊まっていくだろうから、遅くならないうちに侑希ちゃんは家に送るよ。」
ただ、送るのはいつも通り蓮士ではなく、嘉が。
蓮士は陽斗さんから離してもらえないだろう、という理由だった。



