華〜ハナ〜Ⅱ【完】




次の日。


朝早くから城へと連れて来られ、いつもの部屋で待っていると。



「お姉さぁぁぁん…」


力無くユズキが部屋に入ってきた。



「どうしたのよ?」

「なんか、今日は呼び出されちゃって…」



それはつまり、この城でのパーティーに参加出来ないということだろう。



「…楽しみにしてたのに。」

「まあまあ、しょうがないでしょう?」



確かに、昨日の準備の段階でユズキはかなり楽しそうだった。


それだけに、急な呼び出しは気に入らないのだろう。



「あとが怖いから、早く行きなさいよ?」


そう催促すれば、「お姉さんの鬼!」と言葉を残して出て行った。




それからすぐに蓮士たちが入ってきて、また出て行ってしまった。



嘉が残って、私に今日の流れを簡単に説明してくれる。



「今から蓮たちが陽斗さんたちを迎えに行く。それで、戻ってきたらパーティーの始まり。多分陽斗さんたちはここに泊まっていくだろうから、遅くならないうちに侑希ちゃんは家に送るよ。」



ただ、送るのはいつも通り蓮士ではなく、嘉が。



蓮士は陽斗さんから離してもらえないだろう、という理由だった。