病室の前に立ってやっと。 中の声が何て言ってるのか聞こえた。 「―――ママじゃないっ!あたしは李玖に会いたいんだってば……」 中からは、ルカの悲痛な叫び声。 ―――俺に、会いたい? ガラガラッ!!!! 大きな音を立てて、病室のドアが開いた。 中から出てきた女の人は、俺には目もくれずに泣きながら走り去った。