李玖の匂いがする、なんて言って学ランに顔を埋めていた。




「何の香水?」



使い慣れた香水の名前を教えると、「知ってる!」と笑った。





「だけど、あたしが知ってるのと少し違う匂いがするよ。」

「俺の匂いだからな〜」

「ふふ、そうだね?」




ふわっと笑い、また顔を埋めた。





「あんま匂うなよなー。」

「えー。だってさ、李玖の匂い落ち着くもん。」




なんだか、寂しく感じた。