「は?ないじゃねぇんだよ。出せよ。」
「だから、ないんです。」
ふ、と目を細めて肩にある手を剥がした嘉。
嘉は、大人しくなんかない。
1番血が昇りやすい…かもしれない。
「このガキ…出せっつってんだろ!!」
あ、と思ったときには金髪モヒカンが嘉の胸倉を掴んで他人の家の塀に押し付けていた。
「ないですって。」
「じゃあオトモダチに出させるぜ?」
「みんな金ないですよ。中学生ですから。」
「……おまえら、最近チョーシのってる中坊4人だろ?」
「………はあ。」
「だったらついでに潰してやる。」
ニヤリ、と笑って金髪モヒカンが嘉に殴り掛かった。



