その三日後。




「蓮がっ!!!!!」


目を覚ました――と楓が涙をこらえて言った。




バイクに乗っていて、私を庇って倒れ込み車に軽く轢かれた蓮士の傷は、生易しいものじゃなかった。


桜華が世話になっているという医者に見てもらい、意識が戻ってからもベッドに寝て一日を過ごしていた。




「少しは楽になった?」


蓮士のおかげで怪我のない私は、看病に協力していた。


まぁ私は怪我をしてもすぐに治ってしまうから良かったんだけれど…



「…ああ。かなり良い。」




薄くだが、笑うようにもなった。


「ありがとな、侑希。」

「ええ。」



そういえば、あの声だけの夢に“レン”という名前が出てきた。


あの、レンは蓮士と関係があるのかしら?



不意に、そう思った。