華〜ハナ〜Ⅱ【完】




まさか意識を飛ばすなんてね。

考えてもみなかったわ。



「でも良かった。目が覚めて。」



嘉がニッコリと、自然な笑顔で笑った。




「あとは蓮だね…。」


え?

蓮士は起きてないの?



「侑希〜………」

「どうしたの?」



楓が嬉しそうに、でも寂しそうに近付いてきた。




「侑希が起きて良かった…。」


目に涙を溜めて、そう言う。



「心配かけたのね。ごめんなさい。」



楓はふるふると首を振って、ベッドに寝ている私の右に顔を埋めた。




肩が小さく揺れているから、泣いているんだろう…


楓、ごめんなさいね。