蓮士は一瞬止まって、次に「はぁ?」となんとも素っ頓狂な声を出した。



「…聞いてねぇのか?」



何を?


私が首を傾げると、エレベーターのボタンを押しながら言った。



「今日は、侑希のお披露目暴走だぞ。」




…………ん?

なんだろう、それ。



「前に楓が言ってただろ?」


そう言われて、私は鳳狼に行く前の日のことを思い出す。



「…言ってたかも。」

「だろ?」



でも、そんな急に?



「今日は夜も晴れだからな。

ちょうど良かったんだよ。」



口角を上げながら蓮士が言って、いつもの部屋に着いた。