「失礼します...」





気まずい気持ちのまま、冷たい生徒会室のドアを開ける。



開けた瞬間、甘い香りがフワッと広がる。



あ...、彩音さんケーキ作ってるのかな...。



キッチンに顔を出す。




「あっ、瑞希ちゃん!」





あたしに気づいた彩音さんが、微笑む。



手元には、生地の入ったボールがある。





「瑞希ちゃんが来る間に、2つもロールケーキ作っちゃった♪」




嬉しそうに顔を緩ませる。



2つも作るなんて手際いいなぁ...。




とても、目玉焼きも焦がしちゃう人だったとは思えないよ(笑)




あたしも頑張らなきゃ!