俺は 荒木 豪。

親父は中3の時に肺ガンでこの世を去った。

おふくろは知らない。
顔も見たことがない。

親父は男手ひとつで俺を育てた。

いつも夜中になると泥まみれの作業着で帰ってきて、たばこ臭いでかい手で俺の頭を撫でてくれた。

そんな親父が俺は大好きだった。

大阪に来たのは親父が死んですぐ。
親父の弟の店で働かせてもらうため。