5分程経った。


早瀬君はまだ来ない。


あれ?


帰った?


もしかして。


私は、とりあえず本棚のところを列ごとにチラチラ見ながら図書室を一周し、入り口のところまで歩いた。


「……?」


無断で係をほっぽり出して帰るようなタイプじゃないよね、早瀬君て。


カラカラ……。


入り口のスライド式の扉を若干開けて外の廊下をキョロキョロして見た。




と、その時。


階段に曲がる角から1年の可愛い女の子がヒュッと出てきて、そのまま目の前をタタタタッと通り過ぎた。