ズ、ズー……。


コーヒーを飲み終えた早瀬君は空になった紙パックを、カウンターにパコンと置いた。


パラリ……。


話に勝手に区切りをつけ、再び本を読み始める早瀬君。


うーん。


やっぱり、上手く掴めない。


この人。




私って、そんなに分かりやすいの?


早瀬君が洞察力あり過ぎるの?


私はモヤモヤッとした気持ちと同時に、何か今まで感じたことの無い気持ちを感じた。


腹は立つ。


ムカッともくる。


でも、私が自分自身認めたくなくて見て見ぬふりをしていた嫌なところを見抜いてくれている。


その事実が何故だか分からないけれど、思ったより嫌じゃなかった。