有明先生と瑞穂さん

「・・・・・・いえ、いませんけど・・・」


それだけ言うと小浜は安心したように胸をなでおろした。


「・・・今はそういうのは考えていないので」


遠まわしに距離を取るが、小浜を見るとまだ微笑んでいた。




「前は・・・お付き合いしてる人がいたみたいだから・・・」


「前・・・・・・?」




小浜が顔を上げ、また微笑む。



「やっぱり覚えてませんか?」




いつだろう・・・

考えてみても自分が覚えている限りで小浜の顔が浮かばない。



「ふふ、覚えていらっしゃらなくても仕方ありませんよね。
私そんなにお話したことなかったですから・・・」

「すみません・・・。えっと、いつ頃ですか?」

「同じ高校だったんですよ。
有明先輩が3年生で私が1年。
その・・・告白したこともあったんですけど・・・
彼女がいるからって・・・」


「そ、そうだったんですか。
あの・・・すみません。
俺全然・・・」



「いいえ」と小さく首を振る。


もう大分離れたところから口之津が「二人共早くー!」と大声で叫んだ。