「ちょっ･･･そんな怖い顔すんなって！取らねーよ！！」


布津の言葉にハッとして自分がどんな顔をしていたのか気づいた。


「ごめん、そんなつもりじゃ･･･」

「俺だってそんなつもりじゃねーよ」


布津は「こえーこえー」と言いながら自分のシャツを握り締め後ずさる。


「ごめん･･･」


その姿に苦笑しながらももう一度謝った。




「瑞穂が好きなのは先生だけどさ、付き合いのは俺が長いんだわ」


得意気に言った言葉に少しだけムッとする。
何を言いたいのかが未だにわからない。

布津の顔を見れば勝ち誇ったように笑っていた。



「瑞穂、人に甘えるのヘタクソなんだ。

だから･･･俺にしかワガママ言えねーんだ」


「･･････！」


その言葉がただの悪意にしか感じられずに唇を噛み締める。

睨みつけると、今度は臆することなく笑いながら言葉を続けた。



「先生･･･。
瑞穂、先生には甘えらんないんだよ･･････

まだね」



「･･････」