そうそう、あれを返さなきゃ。
私は鞄からCDを取り出し
「長い間、借りっぱなしですみません」
明智さんにCDを手渡すと
「もういいの?
いつでも良かったのに」
言いながら、それをきちんと整頓されているCDの棚に戻した。
その後で
コーヒーを入れようとする明智さん。
あの〜
私、長居するつもりはありませんよ。
こんなドキドキとても心臓が持ちません。
でも、既に入ってしまったコーヒー。
飲まなきゃ申し訳ない。
明智さんはコーヒーを2つテーブルに並べ、私の隣に座った。
緊張のせいでガチガチな私は
コーヒーを口に運ぶ手が震える。
落ち着け〜
いつもの紗英に戻るんだ。
こんな状態の私をよそに
明智さんはテレビをつけて
寛(くつろ)ぎ始めた。
本当に勘弁して下さ〜い。
私、この状況に耐えられません。


