「……本当に来てくれた」 ほぼ、放心状態。 「呼び出したのはそっち」 星可の言葉を聞いて、それもそうか、と一人納得。 「君が、大浦君?」 「うん、ってか聞かれるってことは俺のこと知らないんだね」 苦笑い。 まるではじめからわかってたみたいに。 「人の顔、覚えるの苦手で」 早く帰りたい。 星可にとって世間話に値するこの会話は、校長先生のマイクテストと同じくらいどうでもいい。