「おはよー梓っ」

「あ、信条っ」

「っはよー信条」

「あっちゃん!おっはー!」

「おはよう梓さんっ」

大抵みんなと仲良くしていた生活、なんのストレスもなくて楽しかった。
これが変わるとなると、結構・・・辛い。


 小指心
  作戦実行


「みんなおはよっ!」

今日もひとまず変わりなく良い朝を迎えた。
先生も友達もみんな私に笑顔で答えてくれた。

ひとまず安心。

「あ、蓮くん!おはようっ」

「おはよ」

ここの仲も何気に順調でいい感じ。
南朋に負けてられないし、今年のプチ目標は『全生徒を自分の味方に』でいきます。
味方っていうか、友達で。

「小山くぅーん、待ってー!」

蓮くんと話していたら南朋が走ってきた、すっかり忘れてた。
もう主人公とも言えるね、悪役女優大賞でも獲れるよ。

「ちょっと、『私』の小山くんから離れてくれない?」

「んなっ!」

なにこの『私はいかにも小山くんの彼女』みたいな。
しかも私とは初対面で通すつもりっぽいし・・・

昔の記憶をみんなから抹消させる気だな。

「そんな性格じゃ彼氏さんにも嫌われるんじゃないの?『彼女』さん」

いい気分。
でも、あんまり皮肉として言えるネタがそんなになかったから焦った。

「自分だって、小山くんばっか見てて自分の彼氏さんを見落としてるんじゃない?」

ズバッ

「そんなんだと、『誰か』に獲られちゃいますよ〜?小山くん行こっ」

そう言い残して南朋は蓮くんと一緒に登校してしまった。

「自分、惨めだなー・・・(泣)」