この路地も、

この野良猫も、

この夕空も、

この靴も。

この家路も、

このピアスも、

このドアも、

この感じも。

今にきっと、違うものになってくる。


 小指心
  交差する愛


ピピッ

「ただいまー」

「おっかえりー!!」


ドスッ


相変わらず飛鳥のヘッドクロスチョップは痛い(ネーミイングセンス0)。

「痛い痛い痛い痛い」

「あのね、私最近新しい技を編み出したんだけどさぁっ!!見るっ!?ねぇ、見る!?!」

「ウザいウザいウザい、しかもそんなの見たくないし」

「名付けて、『ハンマー投げやりヒットコンボ☆』っ!!」

「『☆』と『っ!!』って両方使うの難しくない?」

「とにかく試しに受けてみよっ!!」

「って、オイ!!!」


シュッ


「あー、失敗作かぁー」

私は飛鳥の腕を軽々と避けた。
うん、確かにこれは失敗作かも。

「多分、速度と技の相性が良くないのかもしれない」

「なるほど」

そういうと飛鳥は立ち上がってブツブツ呟きながら部屋に戻っていった。
一体お前は将来、何になりたいんだ。

「あ、宿題しなきゃ」

今日のテストはなかなか手応えが良かったと思う。
ほとんどの空欄は素早く埋められた。

でも・・・

「やっぱ呪いの四捨五入がなぁ〜・・・」

あれは三問ぐらいしか解けなかった。