んー、前にサッカーの先輩達と乱闘騒ぎ起こしたけど・・・

そん時は明らかに私の方が強かったと思う。
いや、でも一馬の方が上だったかも。

「んー・・・」

「一馬は力で、蓮は覚えがとにかく早かった。たった一回でアレだもん、前になんかやってたんだって」

「柔道」

「・・・は?」

「蓮くんそういえば柔道習ってたんだって」

「ぇ、なにそれマジ?!」

「うん、昨日聞いた」

「あぁ、出産オメデト」

「出来てねーわっ!!!!!」

出産て・・・
さっきから違うって言ってんじゃんか。

「・・・」

「どしたの?」

「いや、早くどっちか決めないと」

「なんで」

「地区大会、どっちか出さないといけないから」

ぇ、地区大会って二人いっぺんに出すんじゃなかったの?
てゆーか様乃、本当に悩んでる。

「地区大会って二人とも出れるんじゃなかったの?」

「いや、もうすでに人数はそろってんの」

「はっ?!」

「で、なんで二人集めたかというと。道場の人数、13人。正式に部活活動するなら15人」

「え、でもすでに人数そろってんなら選ぶ必要なくない?」

「それが昨日さぁー・・・」

―――――――――――

二人から電話が来たんだよ。

「あい、もしもし」

『あ、様乃さん?』

「おー蓮、どったの?」

『空手部、入って良い?』

「ぇ、マジ?良いよ良いよー!!」

次、一馬。

「はーい、もしもし」

『俺だけど』

「なに?オレオレ詐欺はお断りですけど」

『一馬だよっ!!誰がオレオレ詐欺すんだよ』

「で、どうした」

『空手部、あれ二人求めてんだろ?』

「あ、なに?一馬入りたいの?」

『あぁ、でもまだ空いてる?』