そうして1日はあっという間に帰り道。
わたしは純くんから受け取った
卒業アルバムを胸にだいて、
純くんの隣を歩いていた。
そして
なにを書いてくれたのかが
きになって仕方なくて、
わたしは家にかえって
すぐにアルバムを開いた。
たくさんかかれたメッセージのなかで
ひときわ小さくて控えめな純くんの文字。
その文字は
『いままでありがとうございました。
先輩は変態で変だと思いますけど好きです。』
という言葉を
書き表していた。
“好きです”そんな言葉が私には嬉しくてたまらなかった。
自然と表情が緩んだ。
…けれどこの“好き”はきっと友達として。
どれだけこれが
本物の好きだったらと思ったんだろう。
『今人間に興味ない(笑)』
タイミング悪くも
こんなときに純くんの言葉を
思い出してしまう。
どんなに頑張っても叶わない恋…なのかな………
……辛い。
友達として純くんからもらった“好き”は
嬉しくて、でもどこか切なくて…
とってもふわふわして
曖昧なものだったんだ。


