次の日。
私は部活のために当たり前のように学校へ通った。
でも3年生のみんなはもう教室にはいなくて、
空っぽの教室を
雲の間から差し込む
か弱い朝日が照らしていて、
私は少しさみしくなった。
静かな教室、
皆のいない教室、
短くしても怒られない
スカート、
そしてかばんのなかに入った
卒業アルバムが
私に“卒業”ということを
実感させた。
みんなより一日遅く感じる卒業はなんだか1人だけ取り残されたみたいで
さみしくて………
私の目には涙がたまった。
「あき先輩っ」
そんなときに後ろから
あの、心地よい声が、
…純くんの声がして
私は涙をふいて振り向いた。
「純くん、おはよう」
「おはようございます」
いつもと変わらない微笑みが
私の心を照らすように明るくした。
さっきまで弱々しかった朝日はいつの間にか力強く教室を照らしていた。
「……えっと、卒アルになんかかいて??」
私はそういいながら純くんにマジックペンと
もうすでにたくさんのメッセージがかかれた
卒業アルバムを差し出した。
「え…俺、ろくなこと書きませんよ??なに書いてほしいですか??」