部活の帰り道、
そんなことを考えながら私は
“いつもの場所”に向かった。



交差点の隅の壁の影。
人通りの少ないその影は私が辛いときに一人で泣ける唯一の場所。
家には母も妹もいるし
学校には友達がいる。

私は人に涙を見せて
重いと思われるのが怖い。
だから泣くのは決まってその場所だった。


私はその日もその場所で考え事をしていた。
そしていつも通り一人で泣いていた。