「思い出したも何も。」

『家帰って来たんだ。
 早く帰って来いよ。』

「え…でも今日は。」

『ん?』

「お泊りするの。」

『亜香里んとこ?』

「ううん。
 ホテル。」

『ホ…ホテル!?』

「とにかく明日には
 帰るから。
 ばいばい。」

『おいっ!!』



はぁ。



「悠仁ごめ…。」



え…。



うそ。



怒ってるオーラ全開。



「悠仁…?」

「あんだよ。」

「何…怒ってるの?」

「龍吾って誰だよ。
 二股してたのか?」



龍吾のこと?



「龍吾のことか。」

「何で呼び捨てなんだよっ。」

「龍吾はね?」

「お前なぁ…。」



聞き耳持たないな。



「聞いてっ!!」

「な、何だよ。」

「龍吾はあたしの双子のお兄ちゃん。」



そう。



あたし実は双子なんです。