「『私なんか』なんて言っちゃダメですよ!女の子は必ず誰かのお姫様なんですから!」 “お姫様”という単語は、あまりピンとこない。 何だかむず痒いような…。 励ましていたつもりが、逆にマリちゃんに励まされている。 でも、私はそれでも、信じられなかった。 今まで恋愛と縁のなかった私だ。 そんな私を好きになってくれる人が、この地球上にいるなんて信じられない。 現実味がなくて、まるで遠い異国の話のようだ。 佐倉くんが……私を…なんて、そんなこと……あるわけない。