「あぁ、俺っす」
ヨシは、島田のあだ名であった。

正直な話しが、下手な取り調べをされるかと
思っていたので
城山は、ずっと気楽に保つ事が出来た。

「まぁ…まず、名前からだが…あんた
城山 卓で良いな?」

「…はい…」
疑問があった。
(まだ、署の方に名前は言っていない
はずなのだが…)

しかし、今の警察の力なら容易いだろうと考え、
気にはしなかった。

「だよなぁ…」
と言って、三波は困り果てた様子で
頭を掻いている。

その時、今年初めての蝉が鳴いていた。
(…夏は、早い)

島田が、時計をちらりと見て
告げる。

「四時二十七分、始めましょう」