「陽菜……」 ぱっと力が弱まる。 「か…えで?」 泣いてるみたいだった。 ゆらゆらとゆらぐ視界の中、肩を震わせる楓がかすかに見える。 どうして…… あたしたちは出会ってしまったんだろう? 神様のいたずら?? これも運命なの…? でも… もう少し早く出会っていたら…… 「もっと早く会えてたら…よかった」 「え?」 心の声がもれたと思った。 声の主は、うつ向きながら小さく声をもらした楓。