「今更ですよ部長」

「・・・・・・ゴメン」



「私はそれが部長だと思ってます」

「歌己ちゃん」



「神経質過ぎてたまに窓から投げたくなりますし、自分から近づいてくるくせに嘔吐するわで殴り飛ばしたくなります」

「ひっ」


「でもそれが部長なんですよ、むりくり治す必要なんてないんです。変人でいいじゃないですか、部長から変人を取ったら何が残るんです」

「歌己ちゃん酷いっ!!」

「まぁたまに嫌になりますが、私はそんな部長だから飽きずにここに居られるんですよ」



握られている手に優しく力が入り部長を見ると涙目の部長。

「歌己ちゃん・・・・・・俺こんな気持ちになるの、初めてで・・・・どうしたらいいかわからないけど」

涙目だけれども真剣に私を見る部長が初めてかっこよく見えて身体が固まってしまう。優しく握りしめられる手に優しく緩む口に目キラキラと輝く髪・・・・・・ああ、部長はこんなにも綺麗な人だったのか。親友が周りが騒ぐ理由が今わかった。


「・・・・・部長」

「俺、今1番病原菌より歌己ちゃんしか見えない」

「・・・・・・・・・」



そうだ、部長はこんな人だった。