身体をアルコールまみれにした私を見てよしよしと安心したように笑うコイツは斎藤 光 〔サイトウ ヒカリ〕この学校一変人と有名な人物だ。

私のひとつ上の20歳
部活内容は医療関係全般。なんともマニアックで全く関係も興味もミクロもない私は部活活動を励んでいる。


部員である以上、変人でも部長の手伝いをしなくてはいけない私は女である。女嫌いな部長からの風当たりは厳しい、その厳しさから入部した当時は本気で背後を狙った事すらある。
部長も部長で廃部がかかっている事もあるのか、渋々といった感じで部室に入る際アルコール消毒を義務づけられてなんとか我慢してます、といった感じで、いや、私のが我慢してやってんだよふざけんな。


私の主な部活動は部長の医療研究の記録や書類整理だ。


「部長先日の研究をまとめた記録です」

いつもこの研究をまとめた記録を渡す事から始まり、私の手からその記録を取ろうとした手がピタリと止まる。

「・・・・滅菌してありますので」

「ありがとう」



この変人が卒業してこの大学を去ってくれるまでこれが続くと思うと胃がキリキリして私が医療にかからなければいけない事態になりそうだ。