――……速水side *。+†*



仕事帰り
マンションの前に立っていた咲桜ちゃん。


最初は驚いた。
こんな遅い時間に女の子が1人
歩道の真ん中にいるんだから。


その姿が咲桜ちゃんだとわかる前は、道に迷った子かと思った。



でもまさか
本当に来てくれるとは思わなかった。

だから
来てくれて良かった。

ちゃんと助けてあげられるから…





だけど1つ困った。


未成年の女の子を男の部屋に連れ込むのって、犯罪だよな?



『入院』だと彼女に言いながら
まさか自分に言い聞かせていたとは、咲桜ちゃんには言えないな。



それに…
冷静に考えてみろ。
女の子を家に連れてくるって…



「理性…利くかな…」



うわー
自信ねぇ…。


医者のくせに
患者相手に欲情したらマズイ。


狼になったら最期だな…。



「タイミング悪く、風呂中に発作起こしたらどうすっか…」




俺は1人
自分の性欲と地味に闘っていた。




マジ情けねぇな…。



…苦笑。



今夜はいろんな意味で

眠れない夜になりそうだ





――……速水side END *。+†*