――……速水side *。+†*



いつの間にか
隣でスヤスヤ眠る咲桜ちゃん。

眠れたみたいで安心した。

安眠の為に
ヒーリング音楽って事で
クラシックでも流すか。






…で。

俺は
どうしてここまでしてるんだ?



患者を隣に乗せて病院に向かっているだけ…のはず。



だけど
咲桜ちゃんの事が心配で
独りにしたくないって思ってる自分がいて…


俺は何を考えてんだ。



相手は患者で
喘息で苦しんでいて
未成年で…


恋愛だとか
そんなんじゃない。



そんな事はわかってんのに
最近の俺はおかしい。


どうして
彼女にだけ特別扱いしてんだ?



「はぁ…」



運転しながら溜め息が出る。


いや、今は
自問自答してる場合じゃない。

俺の事はどうでもいいんだ。
咲桜ちゃんの体が最優先。



このまま落ち着いて発作も治まってくれればいいけど、朝方だってわからないし。


あとは…
今後の事も考えないと。

今日は偶然近くまで来てたから
すぐ行けたけど…

毎回って訳にはいかない。

大人だって
慣れてる人だって
夜の発作の対処は難しいんだ。



「どうすっかな…」



車を走らせながら
俺は1人
頭を悩ませていた…。