――……速水side *。+†*



「はぁー…」



咲桜ちゃんの病室を出てから
ずっと溜め息ばかり出る。


発作を起こしたのは責めずに
喘息になった事は怒り
物凄い自己嫌悪に陥っている。


自宅療養にした事は
正直、心配で仕方がなかった。


本来は
入院すべきと判断したら
当たり前だけど入院させる。


だけど
こういう場合は例外になる。

未成年は親の同意が必要。
同意が得られないなら
強制的に入院は出来ない。


自宅療養しかないのだが
今の彼女に『自宅で』なんて
大丈夫なんだろうか…。


発作自体まだよくわからないみたいだし、何より夜中の発作は危険すぎる。

慣れていないのに
自分1人で対処出来るのか?



そう考えると
不安は募る一方だった。


***



診察室に戻った俺は
咲桜ちゃんに渡す処方箋を確認した。


カルテに記載された住所を見ながら、また不安が押し寄せる。



「今…どこに住んでいるんだ?」



自宅のままなのか
アパートなのか…
そういえば聞いてない。

だいたい
彼女はこの近くに住んでるのか?



「どうすっかな…」



俺はまた溜め息をつくと
開いていたカルテを閉じ
コーヒーを一口飲みながら考え込んだ。



――……速水side END *。+†*