――……速水side *。+†*



俺は
柚花のキスを受け入れなかった。






そっと彼女の両肩を掴み
ゆっくり体を離すと
柚花は、泣いていた。




そんな顔をさせたのは
俺なんだよな…。

けれど…



「俺はもう…お前を愛せない」



その答えに変わりはない。




もう何度も
この言葉をお前に伝えている。

それはコイツにとって
酷な事なのかもしれないのに…


だが
はっきりしている気持ちなんだ。

"好き"という感情がない事は
確かだから…。



「やっぱり翔灯は、あの娘が好きなんだね」


「だから彼女とは…」


「ちゃんと答えて!」



言い終わる前に遮る柚花は
唇を噛み締め必死に訴えかけてきた。



「私は翔灯を愛しているんだよ?だから…関係ないとか、なんでもないとか、そんなの納得出来るはずないよ…」



柚花の言う通りかもしれないな。



「ねぇ…どうして教えてくれないの?あの娘は誰?翔灯の何?どういう関係なの?」







もう潮時か…。