苦しそうに言った柚花は
また静かに眠ってしまった。



『助けて』って…
何かあったのか?


いきなり俺に会いに来たとか
結婚しろとか…
何か理由があるのか?



「何なんだ?わかんねぇよ…」



理由は起きてから聞いてみる事にし、ひとまず彼女に布団を掛け、俺は自室を出ていった。





このまま何もなく
柚花ときちんと終わらせないと。


咲桜ちゃんを巻き込む様な事は避けないと。

イヤな思いは
もうさせたくないからな。


咲桜ちゃんには…。





リビングでコーヒーを飲みながら今後の事を考えるが…。



それとは別に
ふと、ある事が頭を過った。





そういえば…
なぜ俺は最近
咲桜ちゃんを気にするんだ?


気になるのか…?


いや、考えすぎなんだよな。

咲桜ちゃんは"患者"なんだがら
医者の私情で巻き込むなんて
以ての外。

それだけの事。
何を今更わかりきってる事を。



「もう寝るかな」



頭を冷やすため
この日俺は
リビングのソファーで一夜を過ごした。




――……速水side END *。+†*