「本当に大丈夫なんだな?」


「はい。全然大丈夫ですよ」



先生すぐ心配するから
何かあれば早めに言いますよ。


それより今は
例のアレが悩みの種だよ。



「あの、先生に…これが」



テーブルに置いていた白石さんから手紙を、先生に渡した。



「…なんだ?」


「…白石柚花さんという方からです」



そう言った途端
先生の目付きが変わった。


驚いている様な
焦っている様な…
複雑な表情を浮かべながら
封筒を見つめていた。



「咲桜ちゃん…その人に会ったのか?」


「…はい。この方が先生を訪ねてここに来たので…」


「そうか…」



どうしてか
先生…罰が悪そう。
そんなに後ろめたいの?



「悪かったな、迷惑掛けて」



どうして謝るの?
婚約してた事を黙っていたから?
あたしに対して後ろめたいから?
どうしてそんなにツラそうな顔をするの?



「先生…」



『婚約者がいたんですね』
そう聞くのが怖くて
口をつぐんでしまった。

不審な点が多いから
聞きたい事はいっぱいある。