――……速水side *。+†*



姉に電話をするのは
正直…イヤなんだが。

なんたって
面倒な姉だからな。


まぁ咲桜ちゃんに心配掛けたんだから、仕方ないか…。



「…って訳だから。勘違いするなよ」


『そうなのね…。咲桜ちゃんがそんな事を…』


「お前が余計な事を言うから、自分の事みたいに考えて…可哀想だろ」



それでなくても
咲桜ちゃんには咲桜ちゃんの家庭の事情ってものがあるんだ。

無駄に気を使わせたら悪い。



『咲桜ちゃんは優しすぎよね…』


「そう思うなら、気が滅入る様な話をするな。困らせるな」


『本当アンタって弟は、咲桜ちゃんが絡むとウルサイわね』



煩いとは何だ、煩いとは。
誰のせいだと思ってるんだよ。
お前みたいな姉を持つと
弟は何かと口煩くなるんだ。



『でも、ま。ありがとね、翔灯。恨まれてなくてホッとしたわ』


「まったく…。まさか今更こんな話するとはな…。だいたい姉弟なんだから、恨みだの憎だのある訳ないだろ」


『そうよね…。考えすぎてたわ』



こんな姉でも考えすぎる事があるとは珍しい。


だが…
本当に悩んでいたのかもな…。
普段はそんな素振り見せないだけで…。