「思いっきり吸っちゃダメだよ!ちょっとでつくんだからッ」



今さら言われても
もう遅い。



「ゴホッゲホッー…」



咳が止まらない。
苦しくて仕方ない



「咲桜…大丈夫?水飲む?」



激しく咳込むあたしを心配した明里が水を渡してくれるが、咳が酷く飲む事が出来ない。


他の友達も背中を擦ってくれたりするが、一向に治まらない。


それどころか
酷くなる一方…。



「ゴホッゴホッ、ゲホッ…ッ」



なんだろう
おかしい。

徐々に違う咳が出てくる。

煙草を吸い間違えただけで
これ程までに咳が出るもの?


『まさか』とは思ったけど
きっと違うって自分に言い聞かせながら、落ち着かせようと必死だった。



「咲桜ちゃん大丈夫?」


「ちょっとヤバくないか?」



男性達も焦りだし
不安になる。



「ゴホッ、ゲホッ…そ、と…ゴホッ、出る…」


「あたしも行くッ」



さすがに店内では
まわりの人達にも迷惑が掛かってしまう。


明里に支えてもらって立ち上がろうとするが、苦しくてそれさえも出来ない。




どうしていいかわからなくて
あたしは先生に助けを求めた。



「せ…ん…せ…ッ」