━━━勝負の日…



咲桜ちゃんには
黙って行くつもりだった。


変な心配は掛けたくないから。


それに彼女の事だ。
自分もついて行くとか言いそうで恐ろしい。


万が一
咲桜ちゃんに何かあったら…。



だから連れて行くつもりはない。




彼女に気付かれない様に病院で着替え外に出ると、自分の車に乗り込み大学に向かった。




―――――――
―――…そして。



到着し
ひとまず車を駐車場に停める。

そんなに長い時間
仕置きするつもりもないから
早く終わる事を予想していた。



「そろそろ時間か…」



腕時計で時間を確認すると
大学の校門外で野郎を待った。


そして読みは見事的中。


野郎らしき男が
外に出てきたのだ。


なんというか
なぜそんなに挙動不審なのか…。

何かに警戒してるのか?
まぁなんにせよ
俺は仕事を続ける。


野郎のまわりに人気のいなくなった所で、声を掛けた。



「ちょっと宜しいですか?お話があります」


「…なんですか、アナタは」



黒髪の間から
細い目で俺を睨むそいつを無視。



「姫宮咲桜さん。…と言えば、わかりますよね」