「ご飯は食べた?」


「いえ…まだ」


「食べれる?」


「はい…」


「じゃあ待ってて」



俺は上着を脱ぎ
袖を腕捲りすると
キッチンの水道で手を洗う。



「え…先生が作るんですか?」



なんだ?
俺の飯が食えないって言うのか?



「悪いか?」


「とんでもないです!でも…いいんですか?」


「気にするな。まぁ…咲桜ちゃんみたいに旨くないけど、許して」


「あたしなんて上手じゃないですよ。先生の料理…嬉しいです♪」



ニコッと爽やかな笑顔を向けられ思わずドキッとしてしまった。



咲桜ちゃん…気を付けなさい。

無防備な笑顔は、男にとっては最高のご馳走なんだから…。


食べられるなよ…
父は心配だ…(←え。)



「食えないものはあるか?」


「先生の手料理なら何でも食べられます♪」



おい。
そういう問題じゃないから。
地味にプレッシャーを掛けるな。



「どうなっても知らないからな」


「はいッ」



ったく…。

咲桜ちゃんの体調を考えて
ヘルシーなもん作るか。